人生いろいろ江戸川柳

江戸川柳の中に現代がよく描かれています。今を楽しく学習できる。江戸を見れば現代が分る。

人生いろいろ江戸川柳 「せ」

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 石 竹 季節の花300 https:www.hana300.com/

花言葉は「女性の美」「思慕」「粋な愛」「あなたが嫌いです」「才能」「無邪気」「大胆」「貞節」「快活」「中年の恋」「粋な愛」「至急」「お見舞」「あなたが嫌いです」など

 

1 関 所(せきしょ)

  関所前女をなぶりなぶり行き

   関所=箱根、今切、碓氷、栗橋のような要衝で通行人を取り締まる役所。

  なぶる=からかい、ひやかす、ばかにする

 「入鉄砲に出女」を警戒していた当時は、特に女性に対する身体検査は厳しかった。関所に近づくと連れの男が「なぶりなぶり」歩き始める。まさかと思いながら女は不安の表情でいっぱいになる。

 実際には不審な女がいれば関所婆がいて本格的に取り調べることになる。

  御妾は箱根でさぐる話をし

  さぐる=乳房をさぐられる意

  ひょっとしたらこんなお役人もいたのではと想像させる一句である。

  まくるだと女をおどす関所前     すごいことだ。

 

2 蟬 

  つかまると蟬は地声で鳴ている     あれが地か。

 蟬のなく下に子供が二三人       よく見かけた昭和。

 蟬がなき出すとお世話になりました   通り雨、もう大丈夫だ。

   江戸川柳  前句附  冠附(上五) 沓附(下五)

 江戸川柳を鑑賞するときはその表現形式を知っておくとよいようである。中でも代表的なのが前句附である。点者(選者)がお題を出し、それに対して五七五の十七文字で答える。読み上げる時は575の後に続けて前句をよむ。

  有名な前句付 江戸川柳 三句

ぬす人をとらえてみれば我子なり(前句)きりたくもあり切りたくもなし

さやかなる月を隠せる花の枝  (前句)きりたくもあり切りたくもなし

心よき的矢の少し長きをば   (前句)きりたくもあり切りたくもなし

冠附(かんむりづけ)は上五に、沓附(くつづけ)は下五にお題を読み込む。

今、NHKで行われている「ぼやき川柳」は以上の表現形式をすべて認めた作句方法で誰もが気楽に自由に楽しめる新しい川柳である。

「ぼやき川柳」平成30年2月17日のお題は「あやしい」「大切」

デュエットのうまさに仲をあやしまれ  埼玉県の君塚 巖

大切と言われ続けて平社員       泉南の新たまねぎ

壊れたと妻は言うけど壊したな     (あやしいことあやしいこと)

                   広島県の江波ジーさん

  江戸川柳とぼやき川柳を比べて鑑賞していくと江戸と平成が面白いほどよく理解できる。庶民の生き方がよく伝わってくる。「ぼやき川柳」は健康になかなかのよい番組である。

 

3 施餓鬼(せがき)

  大施餓鬼してから後妻気が軽し   やっと落ち着くわ やれやれ

   参考 施餓鬼=祖先をまとめて追善供養する寺の行事

 

4 関 取 (せきとり)

  関取は碁盤で消すが座敷芸     碁盤片手で蝋燭の火を消すのか

 関取の悴おもひのほか小兵     悴(男根の異称)、意外とねえ。

 

5 女 衒 (ぜげん

   参考 女衒=婦女売買を斡旋するもの。

  泣顔があのくらいだとぜげん言い    泣き顔まで銭の内か

 十年は夢でござるといふぜげん     いい加減なこと 大変だよ

 

6 咳 払 (せきばらい)

  色色に用立てられるせきばらい     咳払いの意味いろいろ

 すばらしいせきも大屋の道具なり    威厳 はったり おどしに

 雪隠へ行けば両方せきばらい      あいてるか はいってます

 

7 仙 人 (せんにん)

   参考 仙人=久米仙人、吉野で修業して飛行の術を身につけたが、まだ未熟仙人で吉野川で洗濯する女の白脛をみて墜落。

  仙人さまあとぬれ手でだきおこし    仙人さま、しっかりしてよ 

 仙人をしろうとにする美しさ      仙術もきかなくなるんだ

 女湯を見たらとそしる仙仲間      たけた仙人、年の功だな

 黒い所まで見ようなら久米仙人即死   純が仙人への受験資格