人生いろいろ江戸川柳 「け」
紫雲英(げんげ) 季節の花300 https:www.hana300.com/
花言葉の「あなたと一緒なら苦痛がやわらぐ」「心がやわらぐ」は、この植物に薬効があることに由来します。
1 検校(けんぎょう)
証文を焼いて検校縁を組み
検校=盲人の位の一つ座頭、勾当、検校。検校まで出世するには相当の年月がかかるが、役千両を京都に収めれば検校になれた。そのために高利貸しをして金を溜め込んだ。
ざがしら【座頭】と読めば、一座の長である人。特に、人形浄瑠璃(じょうるり)・歌舞伎(かぶき)などの一座の首席役者。
ざとう【座頭】と読めば、
- 盲人の琵琶(びわ)法師の位。勾当(こうとう)の下。
- 頭髪をそった盲人で、琵琶・三味線(しゃみせん)をひいて語り物を語ったり、あんま・はり等を業としたりした者。
3 盲 人
社会保障制度が整備されていなかった江戸時代、幕府は障害者保護政策として職能組合「座」(一種のギルド)を基に身体障害者に対し排他的かつ独占的職種を容認することで、障害者の経済的自立を図ろうとした。
鎌倉時代から盲人のための互助組織として、彼らの座(組合)として機能した。素晴らしいシステムである。座頭金は身元の確実な幕臣に貸すのが最も安全で、しかも、武士は貧しかった。
その結果、貸金を棒引きにして証文を焼き捨てて旗本などと親戚関係になる検校が多くいた。
検校になる前所々でにくがられ
千両をためるために相当あくどい金貸し業をやっていたのだろう。お人よしでは検校になることはできない。
検校になりかねるはず人がよし
今も昔も立身出世するためには人間の壁が立ちふさがっていたのである。
2 傾城(けいじょう)
参考=傾城は城を傾けるほどの美女、転じて官許の遊里の上妓をいう。
とうろうの斧傾城を妻そしり 妻としては引き下がれない。意地がある
蟷螂の斧=カマキリが前足を振り上げて竜車(戦車)に戦いを挑むようなみのほどしらずの意。
琴棋書画ならべたばかり知りんせぬ みんな飾っておくだけよ。
傾城の尾羽内打ちからすいい男 傾城に貢がせるとはにくいやつ。
3 下女(げじょ)
いい下女を置いたと内儀凡夫なり 気の利いた女が一番の敵よ。
女房の目のいそがしい下女を置 目が離せない。油断できないわ。
下女の腹心あたりが二三人 気の利いた可愛い下女かな。
4 芸
すてる芸はじめる芸にうらやまれ
参考 「芸が身を助けるほどの不仕合」錦花隆志
身をはたし後チ世に出る隠し芸 苦労人の生き様ですね。
芸で身を立てることはなまじっかなことではない。厳しくつらい芸の修行で身につけた芸を捨てて家庭に入る芸者。これから芸の修行に入る後輩からうらやまれる。
5 警動(けいどう)
参考 警動=密娼の取り締まり。官許の吉原を保護するために時々刈込を行う。無免許運転の取り締まり。
けいどうで羽織を一つ棒にふり 女も客も逃げるが第一
けいどうの晩に無腰で武士帰り 拳銃捨てて逃げる警官
6 けつまづく
草双紙買て道々けつまづく つい夢中になって
参考 草双紙=江戸時代の通俗的な絵入り読み物。赤本・黒本・青本・黄表紙・合
巻などの総称。中でも読者を最も熱狂させたのが柳亭種彦の田舎源氏。
何くはぬ顔で男にけつまづき とりすました女も男で失敗することもある。
わからねえなあ。